WindowsベースのデスクトップEDAの分野に、
Client/Server アーキテクチャを導入する。
プロテルのEDA/Clientによって、クライアント/サーバアーキテクチャが導入されることにより、ネットワーク上で動作する複数の異なったベンダーによって開発されたEDAアプリケーションと、相互にダイナミックなリンクが可能になり、あたかも一つのアプリケーションのように稼働させることが可能になります。また既に普及している一般のWindowsアプリケーションとの間でも、OLE等のWindowsの標準的な通信機能を用いたデータのやりとりが可能になり、連携が容易です。
このように、プロテルのEDA/ClientはEDAアプリケーションを中心に、一般のアプリケーションをも含めた広範囲なワークグループを構成しようとするものです。現在、すでに多くのEDAベンダからEDA/Clientの為のEDAサーバが供給されており、業界標準としての地位を築きつつあります。
クライアント/サーバアーキテクチャは、新しく生まれたものではなく、コンピュータが実用化された時点から用いられ続けてきたアーキテクチャです。しかしパーソナルコンピュータは、一枚のボードコンピュータから進化してきたという背景により、大幅な技術の進化が成し遂げられた現在でも、EDAアプリケーションは、スタンドアロンのスタイルを脱しきれていません。これは、本来のコンピューティングの考えに添わない異常なことであると言うことができます。
プロテルのEDA/Clientによる、デスクトップEDAの分野へのClient/Serverアーキテクチャの導入は、新しいアーキテクチャへの移行というよりもむしろ、デスクトップEDAを本来の姿に正常化する取り組みであると言うことができます。
パーソナルコンピュータ上で動作する、安価なデスクトップEDAツールは、既に多くのエレクトロニクスエンジニアによって使用されています。
この安価なデスクトップEDAツールは、UNIXワークステーションをベースにした高価なツールの代用品として導入されるケースが多く、しばしばUNIXベースのツールとの能力の比較が行われます。この比較において、これらの安価な安価なデスクトップEDAツールは、既にUNIXベースの高価なツールと同等のレベルに達していると言われています。しかし大手のUNIX ベンダのように、一社で多くのアプリケーションを開発し、一連の開発業務を自社のシステムだけで完結させることを可能にする、統合ツールを提供できるEDAベンダは存在しません。また、ほとんどの安価なデスクトップEDAツールは、シングルユーザ環境で使用することを前提にデザインされており、ネットワーク上での運用が充分に考慮がなされているとは言えません。
既にパーソナルコンピュータ上で動作するデスクトップEDAツールの能力が、UNIXベースのツールと肩をならべるようになった現在、デスクトップEDAシステムにClient/Serverアーキテクチャーを導入し、ネットワーク上でのマルチユーザーとツールの統合を実現することにより、高価なUNIXワークステーション上で動作するシステムを超えるデスクトップEDA環境を実現することはさほど困難なことではありません。
このような現状に対してプロテルでは、独自のEDA/Clientにより複数のベンダーの製品を統合し、UNIXベースのシステムを超えるデスクトップEDA環境を実現したいと考えています。
プロテルの新しいEDAツールでは、クライアント/サーバアーキテクチャの導入により、複数のツールが統合されたマルチツール環境が実現されています。それぞれのツールはEDA/クライアントの為のサーバモジュールとしてデザインされているため、複数のツールを使用する場合でも起動するのはEDA/クライアント一つだけで、従来のように複数のアプリケーションを起動する必要はありません。そして、これらのツールのドキュメントはすべて同じEDA/クライアントのアプリケーションウィンドウの中にオープンされ、それぞれのツールの違いを意識する事なく使用する事ができます。
EDAサーバは、プロテルからだけでなくサードパーティからも供給される予定です。またサーバの開発を支援するための、CSDK(Client/Server
Development Kit)がプロテル社より供給されており、これを利用してユーザ自身が必要なサーバーモジュールを作成する事もできます。そしてプロテルの外部で開発されたこれらのツールはプロテルで開発されたツールと同様にEDA/クライアント上で統合されます。
Protel Advances Schematic 98やPCB 98などのEDAツールには、EDA/クライアントが含まれています。これらをご購入になると、EDA/クライアントが提供する機能のすべてをご利用いただく事ができます。
デスクトップEDAの分野に、クライアント/サーバを持ち込む - EDA/クライアント
回路図入力、PCB設計、シミュレーション、PLDプログラム、そして部品表の作成までもが
一つのアプリケーションを起動するだけで可能な、理想的なマルチツール環境が実現されています。
EDA/クライアントは、クライアント/サーバの核になる製品で、EDAサーバの為のクライアントとして必要な、多くの機能を備えています。
EDA/クライアントはEDAツールの為の、共通のクライアントとしてのさまざまな要求を満足する事が必要であり、あらゆるカテゴリのEDA/ツールを想定した、柔軟なユーザインターフェイスを備えています。また機能の異なるさまざまな種類のEDAサーバとの接続が必要になる為、公開されたAPIによえるコミュニケーションの標準化を行っています。
広範囲なツールのサポート
EDA/クライアントでは、EDAツールだけでなく広く一般に使用されているさまざまなツールとの連携が考慮されています。またEDA/クライアントにも専用のテキストエディタや表計算ツール、チャートツールなどの汎用ツールが装備されており、部品表作成等の付帯業務も、EDA/クライアントによる統合環境の中で行う事ができます。
柔軟なユーザインタフェイス
EDA/クライアントでは、サーバのAPIをユーザがコントロールする手段(すなわちユーザインタフェイス)は完全にカスタマイズする事ができます。例えば、コマンドメニュー、ショートカット、ツールバー、などの全てをツーザ自身が意図どおりに作り変える事ができます。また操作を自動化したい場合や、独自のダイアログボックスを作りたい場合は、標準装備されている高機能マクロ、Client
Ba sicを使用する事により可能になります。さらにプロテルから供給されているCSDK(Client/Serv
er De vel op ment Kit)により、Delphiを用いて独自にEDAサーバやWiz ardを開発する事が可能になります。
APIの公開による
コミュニケーションの標準化
EDA/クライアントをベースにした新しいEDAツールは、Pro cessと呼ばれるそれぞれのサーバが備えている公開されたAPIを、EDA/クライアントからアクセスする事により、一つのツールとして動作するしくみになっています。EDA/クライアントは、ユーザインターフェイスだけを供給するモジュールとして開発されたもので、このAPIをベースにしたコミュニケーションの標準化により、クライアントとして高度に進化した機能の実現に成功しています。
サーバーエージェント、クライアントAPI、OLE、クェリー言語(SQL)の4種の手法を用いることにより、EDA/クライアントとサーバーアプリケーションをリンクします。またEDAアプリケーションだけでなく、OLEに準拠した一般のサーバーアプリケーションやSQLサーバーのクライアントとして、EDA/クライアントを使用することができます。
パーソナルコンピュータ上で動作する、デスクトップEDAツールの能力が、UNIXベースのワークステーション上で動作するツールと同等のレベルに達した現在、100社をこえるベンダーによって供給される多くの専門化されたEDAツールを、いかにうまく組み合わせて統合化されたワークグループを構築するかということが、大きな課題となっています。プロテルのEDA/クライアントは、デスクトップEDA環境にクライアント/サーバアーキテクチャを導入することにより、目的に応じたツールの組み合わせによる高度な統合環境を実現しようとしています。
このページはEDA/クライアントのコンセプトをご紹介するもので、文中の説明にはまだ実現されていない機能も含まれています。
EDA/クライアントは、複数のベンダーによって開発された多くの種類のEDAツールを、Windowsネットワーク上で統合します。
プロテル 独自の機能を満載
サードパーティのサポートにより、
EDA/クライアントは進化を続けます。
サードパーティと共に進化する EDA/クライアント
■ 回路図エディタの機能を拡張するプラグインサーバ
多くのサードパーティによって、Advanced Schematic 98やPCB 98の機能を拡張する、プラグインモジュールの開発が行われています。この為、プロテル製品は、社内の開発努力だけでなく、外部の力によっても製品の能力が進化していきます。
プロテルでは新しい機能の開発が行われた場合、これらの一部を次の新しいバージョンに反映させるだけで無く、プラグインサーバとして無償で配布しています。ユーザは、これらを入手する事により費用をかける事なしに、新しい機能を追加する事ができます。
多くのサードパーティからEDA/クライアントのサーバとして動作するプラグインツールが供給されています。
これらにより、EDA/クライアントに有用なツールが追加され、とどまる事無く進化を続けます。
Premire EDAではSchematic 98のシンボルライブラリの内容を一覧表示する、SchLib View を
開発しフリーウェアとして配布しています。他にもいくつかのプラグインが供給されています。
●フリーウェア Premire EDA Solutions [ www.eda.co.uk ]
●actiVwire Premire EDA Solutions [ www.eda.co.uk ]
Schematic 98に半自動配線機能を付加する。
●ProASIX ESYS [ www.esys.de ]
Schematic 98にVHDLコードの取り扱い機能を付加する。
●Schematic Toolkit Aspiring Technology [ www.aspiring-technology.com ]
Schematic 98をより使いやすくする、7種類の機能を付加する。
●Electra cad DeskTop-EDA [ www.desktop-eda.com.au ]
Schematic 98を電気回路図エディタとして使用する為の機能追加を行う。
●Client/Sim Dolphin Integration [ www.dolphin.fr ]
SpiceとVerilog-HDLによる、アナログデジタル混在シミュレータ。
●フリーウェア Premire EDA Solutions
●Smart Arcs Aspiring Technology
配線パターンのコーナを自動的に円弧に変換する。
●PCB klipper DeskTop-EDA
Windows クリップボードのデータをPCB上に貼り付ける。
●TestPoint Advisor Premire EDA Solutions
テストポイントを配置する為のレイアウトの解析とレポート。
●actiVplace Premire EDA Solutions
ユニークな機能を備えたインタラクティブな配置支援ツール。
Premire EDAではPCB 98のフットプリントを一覧表示する、
PCBLib View を開発しフリーウェアとして配布しています。
他にも数種類のプラグインが無償で供給されています。