部品面、半田面とも左右のプロット図に際立った違いは無く、内層が45度に設定された場合でも表面層の配線結果に大きな違いは生じないと言える。
右側のプロット図は45°Downの設定で配線されたもので、左のVerticalに設定されたものとは明らかに異なる、右下がりの45度の配線が行われている。
右側のプロット図は45°Upの設定で配線されたもので、左のHorizontalに設定されたものとは明らかに異なる、右上がりの45度の配線が行われている。
配線結果の
プロットアウト
そこで以下のようなサンプルPCBファイルをProtel Route98で自動配線を行いました。内層の配線方向を90度だけでなく、Advanced Route 98の特長である45度にも設定し、それぞれの設定による配線結果の違いを比較しました。
内層を45度で配線した場合の配線結果
配線時間: 約1時間20分
結線率: 100%
トラックの長さ(インチ)
Top: 531.302
M1: 486.758
M14: 511.742
Bot: 568.474
Total: 2098.276
ビア数: 1574
内層を90度で配線した場合の配線結果
配線時間 : 約1時間
結線率: 100%
トラックの長さ(インチ)
Top: 556.651
M1: 575.987
M14: 568.284
Bot: 501.223
Total: 2202.145
ビア数 1551
条件
ピン数: 2588ピン
ネット: 548ネット
デザインルール
クリアランス: 6mil
トラックサイズ: 6mil
(部分的に10mil、及び20milのトラックサイズが
指定されています。)
ビアサイズ: 40mil
配線層
Top: Vertical
M1: Horizontal
M14: Vertical
Bottom Horizontal
(45度配線についてはM1を45Up、M14が45Downの
方向を指定しています。)
使用環境
CPU: Pentium 200MHz
メモリ: 96MB
OS: Windows95
90度の指定と45度の配線結果の比較
比較の結果、結線率はどちらも100%の結線が行われました。配線時間については、45度の方が時間がかかりましたが、全体のトラックの長さを比較すると、45度の配線を行うことによって短くなっていることがわかります。
次ページの各レイヤーの配線パターンをご覧ください。
配線能力の実例
自動配線ツールでは、何よりも配線結果が重要です。いかに豊富な機能は備えられていたとしても、高品質な配線結果が短時間に得られないことには役立ちません。
配線方向は、 PCB 98のデザインルールで設定する。通常のHor i zon tal とVerticalの他に、30度(1時)、45度、60度(2時)などの設定が可能。
使用する層と配線方向
最も基本的な設定とされる、配線に使用する層と配線の方向は、PCB 98のデザインルールで設定します。自動配線を起動すると、この設定がRoute 98の配線パラメータとして自動的に使用されます。配線方向の設定は、他の自動配線ツールのように縦(Vertical)と横(Horizontal)だけでなく、30度(1時)、45度、60度(2時)、120度(4時)、150度(5時)の設定が可能になっています。これにより目的の2点間を最短距離で結ぶ事ができます。さらに、配線を行わず内層への引き出し接続を行う場合に為に、Fan Outの設定が用意されています。
テストポイント
テストポイントは、部品のパッド、ビア、パッドを追加など使用するアイテムの優先順位を指定することができます。パッドを追加する場合には任意のサイズを設定します。
PCB 98のデザインルールを適応
配線層、配線方向、線幅、グリッド等のProtel Route 98で使用される配線ルールの多くは、PCB 98で設定されたデザインルールが適応されます。PCB 98に統合されているため、従来の独立したルーティングツールを使う場合のデータをやり取りする際の制限やトラブル、アプリケーションの習得に手間取るなどの問題が回避されます。
Protel Advanced Route 98のセットアップ。
配線パスの設定
Protel Route 98では、押しのけだけでなく、それぞれ異なったアルゴリズムを備えた配線パスを組み合わせて配線を行うことができます。例えば、メモリーのバス配線を行う場合は「Memoryパス」、SMTパッドのファンアウトを行うには「Fan Out Used SMD Pinsパス」を使用します。また、主要な部分の配線はオフグリッドの押しのけアルゴリズムを備えた「Shape Router ・Push and Shoveパス」が用いられます。このパスでは多少のクリアランスエラーを許容して配線を行い、「Shape Router ・Rip Upパス」によってこのエラーを修正します。エラーが修正されると配線コーナーの処理を行うマイタリングが行われ、配線が終了します。また、「Add Testpointパス」によってテストポイントを追加することができ、使用されるテストポイントのサイズや形状を指定することも可能です。
ルールの一覧表示
設定されたルールはAutorouter Setup ダイアログボックスのRulesページに一覧表示されます、これを確認する事により事前にパラメータの誤りを見つける事ができ、配線にやり直しに要する時間の無駄を避ける事ができます。
Protel Route98の45度配線
ところがProtel Route98では、縦と横以外も45度の設定が可能ですので、対角線を引くようにパッド間を45度の直線で配線をする事ができます。従い、最適配線時の配線ターンの長さは、マンハッタン長よりも短くなる場合があり、この自動配線ツールの能力は、従来から用いられている指標の意味すら考え直さなければならにほど進化したものであると言えます。
マンハッタン長
ラッツネストの長さをX軸とY軸に分解し、これを加算したものをマンハッタン長と言い、またこれと実際の配線パターンとの長さの比をマンハッタン・レシオと言います。通常、プリント基板の自動配線を行う際には、配線方向を層ごとに縦または横に決めます。ほとんどの自動配線ツールでは、この縦と横のルールに基づいた直角配線が行われますので、配線が全く無駄無く行われた場合には、実際の配線長はマンハッタン長と同じになります。仮に遠回りした配線が多い場合には実際の配線長はマンハッタン長よりも長くなり、マンハッタン・レシオは大きくなります。このように、理想配線時に1を示すマンハッタン・レシオは、配線結果を評価する上で非常にわかりやすい指標のひとつとして使用されています。
マンハッタン長とProtel Route98の45度配線
この為設計者は自分の意図を配線に反映させる為に必要な最小限のパラメータ設定だけで良く、従来の自動配線ツールのように設定に手間取る事はありません。
オングリッド/オフグリッド配線
Protel Route 98は、配線の対する障害物の無い初期の段階ではグリッド上に配線を行い、オフグリッドパッドや障害物が見つかると、グリッドを無視して配線したり配線を押しのけます。このオフグリッド押しのけ配線により配線スペースを有効に使用するとともに、マニュアル配線に近い配線品質を得ることが出来ます。
押しのけを含む複数のアルゴリズムを適応
オフグリッドの押しのけアルゴリズムを用いて配線を行う事がProtel Route 98が備えている最も際立った特長ですが、より高速に高品質な100%の結線を実現する為に、押しのけだけでなく、Heuristic/Power and Ground/Memory/Fanout/Pttern/Push and Shoveの6種のアルゴリズムが組み合わされて使用されます。これらのアルゴリズムは、配線対象を自動解析する事により最適なものが適応されます。また結線が終わった後、RipUpとManufacturingパスにより、配線密度の均一化の為の処理が行われます。
柔軟な配線方向の指定
従来のオートルータは、各層の配線方向を、縦または横の2方向にしか設定できませんでしたが、このProtel Route 98では45度方向への指定が可能な他、30度、60度、120度、150度に指定する事も可能になっています。多層基板においては内層を45度で配線することにより、短距離を直線的に結ぶ配線が可能になります。
テストポイントの自動作成
それぞれのネットに対して、ビアやフリーパッド、専用に作成されたテストポイント部品を用いて、テストポイントを自動発生させることが出来ます。このテストポイントは、グリッドに制限されず任意の位置に配置する事ができますが、テストフィクチャの作成コストを押さえる為に配置座標をグリッド上にのみに制限することもできます。
シェープベース(形状認識)の配線技術
従来の自動配線ツールでは部品のパッドや配線パターンを、オブジェクトの形状(外形)よりも、むしろグリッド上のどのポイントを占有しているかということよりレイアウトを判断し、どのグリッドを使用して新たなパスを形成すればよいかを計算していました。これに対してProtel Route 98では、グリッドに関係なくオブジェクトの形状そのものを認識し、新たなオブジェクトを配置する場合には、オブジェクトの外形間のクリアランスのみを考慮して、パスを計算します。この技術はインチ/ミリメートル・ピッチの両方の部品が混在する高密度基板には、必要不可欠なものであると言えます。
ニューラルネットテクノロジー
Protel Route 98には、AIベースの技術の一つであるニューラルネットが用いられており、多くのエンジニアによって行われた実際のレイアウトを学ぶことによって配線を行います。この技術の導入により、配線結果にエンジニアによる思考が反映され、従来の自動配線では得る事ができまう高品質なレイアウトが実現されます。
Protel PCB98とシームレスな統合
Protel Route 98は、独立した EDA/Client のサーバとして供給され、Protel PCB 98に組み込まれて動作します。このため設定や起動、さらに実際の配線はすべてProtel Advanced PCB 98の画面上で行います。従来の独立したオートルータのようなデータの受け渡しは、全く必要ありません。
インタラクティブな配線
任意に指定した、コネクション/ネット/部品/エリアを、半自動で配線する事が出来ます。また自動配線中でも即座に動作を停止して半自動で手を加えた後、再度自動配線を実行する事が可能です。さらに、このProtel Route 98は、Protel PCB 98と一体になっている為、双方のコマンドを区別無く使用する事が出来ます。このため自動配線とマニュアル配線を交互に繰り返して、意図通りの配線を行う事も容易です。
パラメータの自動設定
Protel Route 98では配線を開始すつ前に、Neuro Learnプロセスがプリント基板上の部品配置や配線の状況を調べ、最適なパラメータの設定を自動的に行います。
Protel - Advanced Route 98
■ Protel Route 98は従来までの配線グリッドに依存される自動配線とは異なり、
グリッドには関係なくオブジェクトの形状そのものを認識し、配線を行います。
■ Protel Route 98は、AIベースの技術の一つであるニューラルネットが用い
られており、エンジニアによって実際に行われたレイアウトを学習し配線を行います。
■ Protel PCB 98との統合によって従来までの独立したオートルータとは異なり、
ファイルのやり取りが不要になりました。
■ Protel Route 98では、任意に指定した、コネクション/ネット/部品/エリアを
配線することができます。
■ 配線を開始する前に、Neuro Learnプロセスがプリント基板上の部品配置や
配線の状況を調べ、最適なパラメータの設定を自動的に行います。
■ 最初はグリッド上に配線を行いますが、オフグリッドパッドをや障害を見つけると、
グリッドを無視した押しのけ配線を行います。
■ オフグリッドの押しのけだけではなく、Memory、Fanout、Pattern、Push and
Shoveの
5つのアルゴリズムの組み合わせにより、効率のよい自動配線を実現しています。
■ 従来までの、水平又は垂直の2方向の配線方向だけでなく、45度Up/Down、1時方向(30度)、
2時方向(60度)、4時方向(120度)、5時方向(150度)の配線方向を指定することができます
■ それぞれのネットに対してテストポイントを自動生成することができます。
プロテル・アドバンストルート 98は、アドバンストルート 3に用いられたAI技術に基づく
シェープベース(形状認識)の配線技術を受け継ぎ、
アドバンスト PCB 98に統合されたことによってさらに使いやすいツールになりました。
Advanced PCB 98にシームレスに統合された、
Making Electronic De sign EasyTM
Protel Advanced Route 98の主な特長
CPU: Pentium 以上
Memory: 32MB以上
HDD: 空容量20MB以上
OS: Win95 /NT4.0
Video: 1024×768以
シェープベース(形状認識)の配線技術
ニューラルネットテクノロジー
Protel AdvancedPCB 98とのシームレスな統合
インタラクティブな配線
パラメータの自動設定
オングリッド/オフグリッド配線
押しのけを含む複数のアルゴリズムに適応
柔軟な配線方向の指定
テストポイントの自動生成
Protel の新しいオートルータは、過去の概念を超えた、
質の高い配線を短時間で行います。
Protel 98 family
Protel - Advanced Route 98
Protel - Advanced Route 98
動作環境
Advanced Route 98
Protel - Advanced Route 98
Protel PCB オートルータ
| Altium (旧Protel)専門店 | | Altium と歴代 Protel PCB ツール | | Protel 2004 | | Protel 進化論 | | Protel から Altium Designer へ |
Altium, Protel, DXP, Design Explorer, nVisage, P-CAD, TASKING, Accolade,
CircuitMaker, CAMtastic,
Situs Topological Autorouting とそのロゴは Altium
Limited もしくは、その子会社の商標または登録商標です。
OrCAD, OrCAD SDT, OrCAD Capture, OrCAD Layout はCadence Design Systems,
Inc.
の登録商標です。